ハッピバースデー
今日は末っ子の二男の九歳の誕生日である。

最後の幼少の誕生の日である。

物心つきはじめたころまでは七人で祝ってやっていたのが,
昨年からは妻との三人だけのお祝いの日となってしまった。

お決まりのバースデーソングを聞く子供の表情は,
うれしさいっぱいでくずれっぱなしである。
十本のろうそくを一息では消せなかった。
まだまだかわいいさかりである。

学校ではみんなで乾杯をしてもらったらしい。

プレゼントは楽しみに後で一人で見ると言っている。
もちろんなにがはいっているか予想ずみなのだろうが。

おばにあたる私の妹がプレゼントを毎年届けてくれる。
気にいった服がだったので早速明日から着ていくと言っている。
妹夫婦には子供がいないので嫁いだ先の両親までこの子をかわいがる。

思えば九年前,その翌年の一月二十五日が予定日だった。
三十七日の早産である。
生まれたときはまだ真っ白で,
まだまだ胎内で育つべき状態だった。
すぐに保育器に入れられて,
それからこの子はおよそ一ヶ月病院の中で育った。

未熟児におこりがちな心配した体の異常もなく,
それなりに育ってきてくれた。
その期間,幼少のこの子の周りを家族がいろいろなかたちで通り過ぎていった。
それをこの子はどのように感じてきたのだろうか?

来年の誕生日からは十代である。
いつしか幼少のころを顧みて,
彼自身の記憶をよみがえらせていくのだろう。

私自身の人生が上の二人の子供の時代とは
はるかに異なっていることを考えてしまう。
この子にだけどのような別な影響をもたらしているのか,
幸いであることを祈りたい。

来週はクリスマスである。
その翌週はお正月。
兄姉も帰ってきて久しぶりににぎやかな日々がやってくる。
元旦はお姉ちゃんの二十歳の誕生日なのだ。

週末からは冬休み,この子には楽しい楽しい毎日が続いている。