ジニア (キク科)
Zinnia



 ジニアとはいわゆる「百日草」のことで、約17種がメキシコに野生している。日本では極めてよく知られている草花で、初夏から中秋までの花壇を彩る。が、マリーゴールドほどには長く美しく咲かない。多湿によるウドンコ病の発生が、栽培しやすいこの花の唯一のネックとなっている。

 18世紀に、やはりヨーロッパ(イギリス)へ移入されて、ジニアの改良が加えられた。高性大輪ダリア咲き、高性大輪カクタス咲き、高性中輪咲き、小輪ポンポン咲き、わい性種などが代表的なものである。写真のジニアは、1973年日本産第1号として発表された、カクタス咲き混合種の「サマードレス」である。

 栽培方法は簡単なので、播種からの栽培をお勧めする。種子は病虫害に強いF1種(一代交配)を選び、花壇用ならわい性種、切花用なら高性の大輪咲きを選択する。生育適温は摂氏15〜20度、四月ごろより苗床に種をまき、本葉が出てきたころ移植、蕾が見えてきたころに定植をする。開花は日長によって左右される。例えば10時間以下の短日下では早くなり、逆に14時間以上の長日下では遅れる。ジニアは短日下植物で、短日下で多花性になり、花は小さく八重率も低下し、草丈も低くなる。

 花壇では予め苦土石灰と有機質肥料を施し、十分に耕しておく。肥沃な土壌では草勢が強く、著しく生育が早い。定植後1ヶ月で土肌はジニアに覆い尽くされる。わい性種はプランターなどベランダ園芸にも適している。

 長期の開花には花がら摘みが大切である。害虫はめったにないが、幼苗のころアブラムシがついたり、開花後に蛾の幼虫が茎を食害して枯らすことがある。オルトランやスミチオンなどで駆除をする。また梅雨期の終わり、灰色カビ病やウドンコ病が発生することがある。前もって、ダイセンまたはベンレート水和剤で予防する。

 和名 百日草
 花言葉 亡き友を偲ぶ