マリーゴールド (キク科)
Tagetes



 マリーゴールドは暑さに強く、病虫害も少なく夏花壇の主役だ。この花は大別して、わい性のフレンチと草丈の高いアフリカンに分類される。もともとはメキシコ、中南米の原産で、16世紀の後半にヨーロッパへ渡り、以後4世紀、改良が加えられ、現在に至っている。花壇のみならず切花としての需要も多い。

 わい性種はパリの王宮の庭に多用され、それが各地へ次第に広まっていったことからフレンチの名が生れた。また、切花として多用される大輪種は、17世紀にチャーチル5世率いるイギリス軍が、チュニジアへ遠征したとき、この花をもっていって栽培し、同地に広まったことからアフリカンの通称が生れた。

 栽培方法は4月以降、苗床に播種し、本葉が出てきたころ、育苗ポットに移植する。発芽はたやすく、播種の時期も長く、根は移植に強い。根が十分にはり、蕾が見えてきたころ、花壇やプランターに定植する。株間は30センチほど、高性のアフリカンだと50センチくらいとったほうがよい。日当たりと排水のよい場所を好み、土質はあまり選ばない。植え終わったら、真夏の乾燥を防ぐために、土表のバーク堆肥でのマルチをお勧めする。

 初夏から晩秋まで咲き続ける。秋の開花は見事で、株が花でうずまってしまう。とりわけ晩秋の紅葉の季節は、満開の花が紅葉のように光り輝き、名前のとおり黄金の花となる。夏期に茎葉が繁茂しすぎて花数が少なくなるときは、草丈の3分の1くらいを切りもどしてやる。また、こまめに花がら摘みをしてやることが、草勢を衰えさせない。病気予防と種子をつけさせないためである。子孫を残す=種子をつけると植物の寿命は縮まる。

 我が家の花壇の前方はマリーゴールド・フレンチである。アフリカンよりずっと栽培がしやすい。アフリカンが背が高くなるので支柱が必要で、豪雨に弱い傾向がある。開花期も初秋までである。後方にはジニア(百日草)を植えている。色彩のコントラストはベストだといってよい。

 和名 万寿菊
 花言葉 愛に冷たい。嫉妬はおやめなさい。