閉じられたホームページ
 人生を長く生きていればいるほど、たいていのものが多かれ少なかれ脛に疵(きず)持つ身である。故事ことわざに「出る杭は打たれる」という格言がある。いつの世でも調子に乗りすぎて、出すぎてしまうと、脛の疵が暴露される。

 去年の例でいうと、田中真紀子→鈴木宗男→辻元清美の三人がよい例である。三人とも身の程をわきまえず、出すぎてしまって、不正を暴露されて失脚した。どうも後になるほど往生際が悪く、その分お仕置きのほうも厳しかったようである。が、いちばんに抜けた田中氏は、早や復活を演じている。歯に衣着せぬ発言と、未だ父親の影響下にある強固な地盤と、膨大な遺産(国家からの搾取のようなものだが)でもって、再当選し、首相小泉純一郎に対して捲土重来、復讐を果たそうとしているようでもある。

 古賀潤一郎氏は滑稽である。自分が学んだ大学を卒業したのかしていないのか、わざわざアメリカまで出向いていかずとも、そんなことはご自分の胸のなかでわかっていたはずだ。前後不覚になって、うろたえているんじゃないかと思えるほどだ。調子に乗って、学歴にアメリカの大学をやたら載せすぎた。要は舶来のいい格好をつけすぎたのである。海千山千の山崎 拓氏側が訝ったのも当然かもしれない。朝日新聞は昨年11月の当選直後から「大学卒業」を証明するよう求めてきたが、古賀氏は資料などを示していなかったようだ。

 一時的に古賀潤一郎氏のホームページは閉じられていた。夜になって、ようやく開いたホームページで、再度学歴を確認してみたら、UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)に改ざんがなされ、CSULA(カリフォルニア州立大学ロサンゼルス)に変わっていた。本人が似たような名前なので、勘ちがいをしていたというものだ。ここまで言い訳がましいと、あほらしくてへどが出そうになる。フレッシュなスポーツマンタイプを売り物にした好青年がきいてあきれる。ペパーダイン大学はもちろん、CSCB(カリフォルニア州立大学ベーカースフィールド)も似たようなことなのだろう。ローカルの市会議員や町会議員がよくやる、聴講生を卒業と偽るたぐいのこと。

 つべこべ言わず、潔く、スポーツマンらしく早く辞めなさい。じたばた、どたばたするほどにみっともない。恥ずかしくないんだろうか? 学歴なんて、いくらご大層に並べ立てようが、その人物評価が高まるわけでなし、推測するにアメリカの大学を転々として、テニスと遊びばっかに呆けていたんじゃないかと思う。拓やんみたいに女遊びが好きだったのかどうかは定かではないが、きっとアメリカ女性にもてたことだろう。

 足元をすくわれた。柳川高等学校(旧柳川商業高等学校)卒だけにしておけばよかったのに。学歴がないものほど学歴を欲しがるとよくいうが、彼にもそんな気持ちがあったのかもしれない。東大出の自民党副総裁と五分に渡り合うために―。補欠選へきっといまの拓さんは血気盛んなことだろう。かくして、一時的にも古賀潤一郎氏のホームページが閉じられたこと、それはまさしく彼の学歴詐称を物語っている。

 奇しくも名前は潤一郎、純でない分濁っていたか。いつも思うことだが、とにもかくにも政治の世界はみっともない。