1970年10月4日
 ジャニス・ジョプリンの死は、ビートルズの解散よりも早い。27歳でこの世を去ったジャニスは、ジョン・レノンやポールマッカートニーよりも若かった。

 美しくもなく、賢明でもなかった。アルコール依存症、性的逃避、そして、最終的に彼女を死に追いやったドラッグの乱用、彼女の音楽は、そのセンセーショナルな生き様の二の次にされてきた。また、ジャニスの音楽活動はわずか4年に過ぎなかった。が、その短期間に、彼女を評するタブロイド紙の安っぽい記事にはおよびもつかない優れた音楽を残した。ジャニスの歌は、没後30数年を経ても忘れられることはない。

 一昨日、ビデオで初めて、生のジャニスの歌う姿を見た。思いのほかよかった。生まれ故郷、テキサスの孤独なみそっかす少女が、その孤独をのりこえようと懸命に歌っていた。誰も振り向いてくれなかった。誰も関心を持ってくれなかった。そんなジャニスがシスコへ出て歌手になった。そして、束の間自由になれた。ふつうの女の子の幸せをつかめるはずだった。

自由ってことは
失うものが何もないってこと
何もないってことは
自由じゃないってこと
ボビー・マギー
あたしのボギー・マギー
あの人を恋人と呼べたなら
アタシの男と呼べたなら
アタシの恋人と呼べたなら命を賭けて愛するわ
愛してるのよ、ボビー・マギー
Hey hey hey ボビー・マギー

 ジャニス・ジョプリンは10月4日、ハリウッドのホテルの一室で、ヘロインの過剰摂取でこの世を去った。

 Summer Time