最初の死のあとに 死はもはやない
 クックの「誰も知らない女」は久々の当たりの予感がする。200ページほど進んで惹きこまれはじめた。

 三人の顔が少しやわらいだ。初めてそこに若者特有の自己中心的なもの以外の何かがあらわれたのをフランクは感じた。それは同情であり、恐怖だった。