札幌でのラーメン
 札幌にある日本一のラーメン屋。その名を「すみれ」という。「すみれ」は観光マップや雑誌などでも有名なそうで、新横浜にもその店を持つとかきいた。ウィークデーのランチタイム、偽りなく行列ができていて、タクシーの運ちゃんに尋ねると、一時間は待たねばならない状況だった。それで二時間ばかり時間をずらして、再度訪れることにした。

 その時点で、タクシーはメーターを倒して、千歳空港までの契約料金となった。それから、かの札幌五輪で、日本ジャンプ陣が金銀銅のメダルを独占した大倉山のジャンプ競技場へ行った。リフトでスタートハウスまで昇りながらK点(Clitical Point)なるところを見つめていると、大鷲のような翼がないと、どこか遠くへ命がけで吹っ飛ばされてしまうような気がした。またそこでソフトクリームを食べた。北海道はどこへ行ってもソフトクリームを売っている。富良野ではラベンダーソフトを食べた。ソフトクリームはさわやかな気候にあっている。

 次に羊が丘展望台を経由して、午後二時半に「すみれ」へ再度来た。さすがに行列は減っていて、運ちゃんが20分待ちだといった。並んでいると、はっぴのような制服を着たねえちゃんがメニューを持ってやってきた。否応なく、即座に注文を入れさせられ、先金を要求された。金を払うと、パーキングエリアの自動販売機のチケットのようなものを持ってきた。少々興ざめをした。先金をとられては、待ちくたびれて帰るわけにもいかない。

 何で並んで食べねばならないほどの味だと思った。麺は硬いし、つゆはこってりとしすぎていてえぐいほどだった。だから、スープなんて一滴も飲まなかった。ぼくの口には日本一もカップヌードルも変わらない。日本一に二言ありだ。

 また、兄貴がやってる店があって、その店は純蓮(すいれん)とかいうらしい。店をよく見ると、ここも純蓮で、音読みと訓読みのちがいだけであった。純蓮(すいれん)のほうが、好みはあるものの若干客数で負けているらしい。

 で、大阪空港からの帰りのハイウェイ、パーキングエリアで食べたラーメン、関西では中華そばという。待ち時間なし、値段半分以下のそっちのほうがおいしかったことはいうまでもない。

 北海道ではやっぱり魚と牛乳がおいしかった。層雲峡での焼きカレイの味は忘れられない。どうやらぼくも関西人で、味にはうるさくなってきたようだ。