東京証券取引所時価総額ランキング
日本経済新聞より

1989年12月末 (単位 億円)  

1 NTT       229.320  
2 日本興業銀行  150.023 →みずほ 
3 住友銀行    105.499 →三井住友
4 富士銀行    99.884  →みずほ 
5 第一勧業銀行  92.410 →みずほ
6 三菱銀行    91.642
7 東京電力    81.276
8 三和銀行    80.925  →UFJ
9 トヨタ自動車  77.086
10 野村證券    67356

11 長期信用銀行  65.513 →倒産
13 東海銀行    51.079 →UFJ
14 三井銀行    50.376 →三井住友
18 太陽神戸銀行  40.821 →三井住友


2003年4月28日

1 NTTドコモ    120.933
2 トヨタ自動車   92.054
3 NTT       64.845
4 キャノン     41.231
5 日産自動車    38.606
6 武田薬品工業   38.238
7 ホンダ      35.955
8 東京電力     32.298
9 ソニー      25.172
10 セブンイレブン  22.794

11 東京三菱FG    22.704
31 三井住友FG    11.362
60 みずほFG     7.471
95 UFJーHD      4.981


 大手銀行が市場の信頼を回復し、自らの株価下落に歯止めをかけるための選択肢は極めて少ない。資本金不足の解消を目指す二兆円超の自力増資は株価回復につながらず、不良債権と保有株という二つの「負の遺産」の処理も道半ばにとどまっているからだ。

 金融庁の特別検査で、大手銀行は2003年3月期に1兆3000億円の貸倒引当金の積み増しを迫られた。だが、市場は一部大口融資先(ダイエー、熊谷組、藤和不動産など)の経営再建をなお不安視しており、引き当ては不十分とみる。融資の約七割を占める中小企業引当金も増やす必要がある。
 
 保有株の下落に伴う損失拡大も深刻極まりない。さらに大手銀行株の暴落は株式を持ち合う取引先の業績を悪化させ、その株価を押し下げて大手銀行の含み損も膨らませる。3月期に最終赤字約2兆円と予想していたみずほフィナンシャルグループは28日、減額処理で損失がさらに拡大すると修正発表した。

 「信頼回復は今期の実績で示すしかない」と各行の経営者は異口同音に言う。だが、追加リストラなどの効果が見えてくるのは早くて今秋、それまで市場が待てるかは疑問である。

 民間調査機関の試算では、日経平均株価が7000円を割ると一部生命保険会社が資本不足に陥り、資本を持ち合う大手銀行の財務を直撃、6500円を下回れば大手銀行の自己資本比率も規制値の8%を割る恐れがある。

 日銀の潤沢な資金供給もあって、大手銀行の資金繰りに問題は出ていないものの、資本不足が表面化すれば、金融システム不安が再燃しかねない。

 資本不足を避けるためには自力増資や融資圧縮が必要だが、こうした策は前期までにほぼ使い果たしており、公的資金の注入や大手銀行がすでに納めた税金の還付など「公的資金」による資本増強が現実味を帯びてくる。政府も連休明けから大手銀行の経営安定に向けた政策論議を本格化する構えだが、日増しに悪化している現状(金融不安に近いもの)を早急に払拭させねばならない。現況のまま来期決算を迎えれば、某大手銀の国有化は必至である。