横浜銀行
 横浜ベイスターズがセントラルリーグの借財を一身に背負っている。たいていが僅差で負けるからいいゲームをしているようだが、決まって終盤で引導を渡されるのは弱い証拠。このままの状態が続けば、100敗は堅く、ひょっとしてプロ野球負け越し新記録を樹立しそうなていたらくである。さすがのファンもあきれかけてきて、負けて当たりまえ、リードしていてもそのうち逆転される、たまたま勝てば偶然という心境になっている。僕のほうはといえば、新監督の山下大輔には気の毒だが、開き直って、全部負けてしまえ! と実際に願うほどである。港町、東の横浜、西の神戸、セとパ、ともにファンの球場離れはいかんともしがたい。

 1998〜2000年の監督、権藤博ののびのび野球を誰かが悪いほうへ錯覚をした。もっと戦略を練り、こまごまと作戦を尽くせば、常勝球団をとでも思ったのであろう。思えば、三顧の礼をもってして迎えた監督が、これまで悲願達成をかなえてくれただろうか? 三年前、策士、森が来てチームは滅茶苦茶になった。面倒で不向きな理論を遂行させようとするから、選手が萎縮をしはじめた。スポーツは天衣無縫、豪放磊落、プロスポーツならではの醍醐味を観客に見せることができなければ、なんの値打ちもない。1998年の奔放な戦いでの優勝は、アマチュアのものではない、プロスポーツとしての原点に立ったものだった。

 いったん壊れたものを元にもどすことは至難の業だ。タイガースの低迷が10年ほどに続いたことを考えれば、1998年まで38年間優勝ができなかったチームにおいては自明の理だった。佐々木とローズという投打の要が去った時点で、新たなヒーローが出現するまで優勝は無理だっただろう。でも、権藤ののびのび野球でなら、今ほどによわっちくはなっていなかったと僕は思う。彼の監督最後の年は、佐々木がメジャーへ去った翌年なのだが、打って打って打ちまくってAクラスを確保したのだった。そうして、森が迎えられてから、選手はプレイするのにとてもナーバスになってしまった。こせこせして、絶えず負けないかとビビッて、ちびって、勝利の女神から見放されている。セントラルリーグ、横浜銀行大盤振舞いの2003年である。

 昨年、マルハは球団株をTBSに売って正解だった。超弱小球団を手放して、120億円あまりのキャッシュを手にしたわけだから。

 ちなみに今月初めの経済ニュースでは、本物の横浜銀行は公的資金2200億円を2005年度までに全額返済するそうだ。金融不安を増長させているメガバンクとは、実に大きなちがいである。

 PS 関係ないけど、松浪健四郎、早く辞めろ! 見ているだけで不愉快だ。彼のような人物は、大阪の恥、日本の恥だ。ちょんまげ切り落として、どこかへ消えろ!