お葬式
 今朝はとても冷え込んでいて、小雪が舞っていた。いったん雪はやみ、太陽が顔を覗かせはしたが、とても冷たい一日だった。

 今日は、同じ町内に住む、息子の同級生の妹のお葬式だった。五歳の保育園児で、遊んでいるとき、急に心停止したという。生来心臓が弱かったようだが、いたいけな幼児の死は、お葬式の中でも最も悲しみを感じる。悼む気持ちが言葉にできない。

 午後一時、読経と時を合わせて、雪が降ってきた。遺族の嗚咽が参列者の胸を劈いたとき、それは瞬時吹雪となった。僕のめがねのレンズを濡らして、みぞれのように流れていった。

 お葬式とは悲しいものだ。去年、妻の祖母が亡くなったときは、老衰で九十一歳の大往生だったが、そんな幸福な死はまれである。幼児の死はもちろん、去年のように何度も、志半ばで逝去する壮年期の人々の死を見ることは堪えがたい。

 それから夕方まで小雪が舞っていた。凍てつくほどの寒さではなかったが、風が吹くと頬がピリリと痛んだ。息子が学校から帰ってきてこう言った。「おとうさん、あの子、四月から小学校やったんや。ぼくが遊びに行ったとき、ランドセル買ってもらうの楽しみにしてたんやけど・・・・・」