訃報
 妻の祖母が亡くなった。ついさっき連絡が入ったところ。これでぼくたち夫婦には祖父母がいなくなった。妻のおばあちゃんは十年以上前、喉頭癌を克服して、それからずっと元気だった。突然の訃報である。享年93歳、十分な人生であったと思う。

 通夜、葬儀のため、あしたから妻が愛知県東部の半島にある郷里に帰る。それでぼくは二日間主夫を務めることになった。苦手な早起きをしなくてはならない。車でいっしょに行ければいいのだが、年末の仕事があるし、息子は学校へいかなければならない。息子は曾ばあちゃんの存在すら知らなかった。実家じゃない、母方のほうだからではあるのだが・・・・・、長い時代によって、いつの間にかこんなふうになっていた。