先にある危機
三十代半ばから、僕はアルケミストになった。
いや、それはまちがいでペシミストになった。
いつかしか自分の道程になにげなく漂ってきた危機感からだった。

やがてそれは肩の上にどっしりとのしかかってきて
杞憂ではなく現実となった。
神経衰弱になるような日々との葛藤がやってきた。

それを現在は乗り越えたかのようにある。
諸事に一喜一憂があり、
時にはオプティミストのようでもある。

でも、それはそう装えるだけで
やっぱり僕はペシミストだ。
いつもこれからくる危機を考えてしまう。