戦争を知らない子供たち
僕たちは戦争を知らずに育ってきた。
だのに,あの国ではずっと戦時中だった。
そう思うしかない。

戦争は決して正義ではなく,
略奪と暴行,それの繰り返しだ。
敗戦国の民衆は、理不尽な悲惨さを受け容れざるを得なかった。
戦勝国の虐殺,暴行,略奪,強姦などを・・・・・。
それは一部の国を除き,何度かその立場が逆転している。

創世記より、世界中どこにでも自国内の戦いの歴史があり,
また、陸続きの国々は度々戦争を繰り返した。
そして、西欧の植民地支配が世界各地へと拡大され、
争いの悲劇は人種間に及ぶようになった。

いまだ世界のどこかで戦争が絶えることがない。
貧富の差はますます拡大するばかりだ。
人の命など露ほどにも思っていない支配者たちがいる。
昨晩,僕たちが受けたどうしようもない衝撃は、
悲しいかな「戦争を知らない子供たち」のものでしかない。

五木寛之の著書「運命の足音」の最初の章,『五十七年目の夏に』を読んでいると、
現実に敗戦の渦中にいた日本人のやるせなさ,悲惨さが身にしみてくる。