灰色ノート

お久しぶりです。
お元気ですか？

あれからはや一年が経ちました。
まさかあなたに逢えるとは思っていませんでした。
見ず知らずのあなたに実際に逢えるとは
機内の中で胸がときめいていたものです。

飛行機の整備点検が手間どったため
到着時間が一時間ほど遅れてしまいました。
私は約束の時間に遅れたため､
あなたが待っていてくれないんじゃないかと不安でした。
でも､あなたは待っていてくれました。
あなたの笑顔を見たとき来てよかったと思いました。

街に向かう途中ライラックの花が満開でしたね。
バスの中であなたと腕が触れ合うのを感じてドキドキしていたんです。

翌日は楽しい一日でした。
どこの観光もせず､
ただあなたと話してばかりいましたね。
使い捨てカメラを買って
一枚でいいから写真をとっておけばと思いました。

いい思い出だけを残して帰ったというのに
その後しばらくしてたちまちに縁がなくなりましたね。
多くは私が悪いのだと思います。
私が郷愁のようなものを抱いたからなのか
私が積極的になったためにあなたに不安を抱かせたのか
お互いあっさりと もといた世界に戻っていきましたね。

半想像の世界でいたほうが
やっぱりよかったのだろうかと考えたりします。
逢わなければ縁は途絶えなかったかもしれません。
でも､逢ったからこそこんな回想もできるのでしょう。

あなたのメモリーをすべて削除して１０ヶ月がすぎました。
ただ､私の記憶のメモリーはあなたを忘れることはないでしょう。
どうかいつまでもお元気で･･･････。

yoursong