晴天の朝
家には誰もいない。
学校で参観日だからだ。

目覚めるのが遅かったので、
自分で食パンを焼き、
ハムエッグを作る。
冷蔵庫からイチゴとオレンジを出してきて
テーブルの上にあったレタスを添えてでき上がり。

のんびりと新聞を読みながら、
静かな朝食である。
コンポは机の上だから音楽はない。
クィーンマリーの香りが
ほどよく継続していた眠気を覚ませてくれる。

新聞では景気回復はまだまだ先のことに感じられる。
紙面の下にある週刊誌の広告の
ゴシップ記事の活字がやたら大きいので
知らずと眼が行ってしまうが、
政治家のスキャンダルと
昔の名前のタレントのオールヌードなど
もうばかばかしくてつきあってられない。

背伸びをしながら外にでてみる。
少し風が冷たいが快晴の朝である。
温室の中の夏の草花の発芽をチェックし、
買い置いている夏野菜の苗に水をやる。
来週の一日は農作業が待っている。

チューリップだけが散ってしまったが、
ほかの春の草花は満開である。
直径十五センチはあるアイスランドポピーの五色のライトカラーが
陽光に輝いて、風に揺られて殊のほか美しい。
パンジーもビオラもデージーも負けじと咲き誇っている。

久しぶりののんびりとした散策の朝だ。
風向きが変わり、私に向かって吹いてくる。
芳香たるものが私の触覚を包んでいる。
この匂いは絨毯が敷きつめられたように咲いている
真っ白なスィート・アリサッムのものだった。

去年の冬植えつけたマグノリアの緑の葉がしっかりと伸びていて
少々育ちすぎた銀杏の木の若い葉の緑は清々しい。
今年もまたかりんの花が実をつけていて、
冬に花開く枇杷はいつもどおり豊作のようだ。

辺りにはこぼれ種が芽を吹いて、
花菱草やアグロステマ、スミレが咲いている。
クローバ―が芝生を覆ってしまって、
そこでは四葉をたくさん見つけることができる。

今、幸福な気分でデスクの前にいる。
コンポからは「バックストリート・ボーイズ」がかかっている。

あしたゴルフにいけるといいのだが・・・・・・・。