倒産、リストラ、デフレ不況のこの世の中で
休むいとまもない内閣総理大臣よりも
はるかに稼ぐやつらがいる。

夢だとか理想だとかいろいろ言ってはみてもやはり金。
デフレ不況のこの世の中で、世間を顧みない高騰年俸。
近ごろ僕は野球選手が嫌いになった。

名古屋でお別れセレモニーをした人は、
契約金二億円、年俸二億円で大阪Hに釣られていった。
今年の年俸一億八千万円+スポンサー契約料−控除額=来年の納税は少なくとも一億円。
NHKではせいぜい二〜三千万円、納税の額にもなりはしない。

大阪KのNは六年契約四十一億円の提示にも難色を示している。
何でも言いたい放題だ。

FAのKは大阪Hから五年契約十二億円でハムから移って行った。
高々二割七分の選手が・・・・・・・。

別なFAのTは希望の条件で雇ってくれるはずのないメジャーリーグをダシにして、
結局四年契約十二億円の名古屋へ飛んで行った。
高々二割六分のキャッチャーだ。
何で古田より多いんだ。
そういやあ、前にもGをダシにしていたっけ。
世渡り上手のキャッチャーだね。

嫁さんの脱税告発で退任を余儀なくされた月見草は、
Sをやめたとき大阪Hの金に眼が眩んだ、
今考えてみると哀れなおっさんである。
強欲な嫁さんにもそそのかされたにちがいないが。
大阪で恥をかいてやめたのは、
もと府のセクハラ知事ともと南海ホークスの三冠王の二人になった。

太宰が「富士には月見草がよく似合う」と言ったが、
かの月見草には似合うものなどなくなった。
三年連続最下位と脱税者という汚名が残っただけである。

内閣総理大臣の年俸は実質五千万円、
日本球界の一軍の平均年俸の方が多いじゃないか。

ついにメジャーリーガーの平均年俸は二億円を超えたそうである。
高級邸宅、テニスコート、プール、高級車、自家用機、別荘、
秘書、召使、運転手、エトセトラエトセトラ。

僕は来年から野球を見ない。
デフレ不況に苦しむこの世の中を知っていながら、
それでもなおゼニゲバに走るやつらを見たくはない。
富める者とそうでないもの、貧富の差は広がるばかりだ。

彼らになんか夢はいらない。
金が人間を評価するなどと思っちゃいけない。
たった一介のスポーツ選手がうぬぼれるんじゃない。
金を湯水のように支払う球団もふざけるんじゃない。

ちょっと僕はひねくれた気分だが、
そんな気持ちが人々に高じてくると世情は不穏になってくる。
実際に日本は借金大国で、
日本の格付けは年々歳々下落しているのだ。
アルゼンチンを他山の石と思うなかれ。

テロは極悪非道だ。
しかし、飢え苦しむ人たちがこの地上のかなりの数を占める限り、
富める世界を見て絶望し、
その不条理に狂おしい激情を覚えたとしてもなんら不思議なことではない。


Merry X'mas to you !