ロック曽根崎心中
近松門左衛門を読んでみようと思う。
「心中天の網島」に代表される、相思相愛の男女が共に命を絶つ情死。
それを描きつづけた江戸時代の作家。

元禄から享保年間に心中が相次いだといわれている。
あの時代の薄倖な若者が、現代と比べてみて、
どのようだったのか知って見たいと思うのだ。

神道では死は穢れだ。だから、神社に墓はない。
その穢れを嫌う境内で心中したのは、
「曽根崎心中」の遊女お初と、手代徳兵衛だった。

現代では「お初天神」は恋の成就を願う若者の参拝客であふれ、
その悲劇の舞台はすっかり縁結びの神になってしまっている。

二十二年前、その「曽根崎心中」にロックで体当たりしたのが、
宇崎竜童、阿木燿子夫妻だった。

「ロック曽根崎心中」の幕切れには、
阿木燿子作詞の「道行華」の歌が静かに、切々と流れていた。

生きてる間が極楽なのか
道行く先は三途の川か・・・・・