ヒマラヤ杉に降る雪
1つの怪事件を巡る裁判をきっかけに再開した男と女──
そのとき、時代に引き裂かれ、歳月を経て複雑に重ねられた2人の想いは、
哀しみのブリザードとなって大地を銀白色に染めていく……

主人公のイシュマエルとハツエとの幼き恋が叙情実をあふれさせる。
ハツエは工藤夕貴が演じていた。

ところで、この映画の原作は五年前に読んだ裁判小説、
ディビッド・グターソンの「殺人容疑」だった。 

どうしてベストセラーとなったこの小説が
「ヒマラヤ杉に降る雪」というタイトルになったのかは、
知る由もないが、
小説のほうがはるかに面白かったような気がする。

でも、この暑い夏には実に涼しい映像だった、とだけ言っておこう。