ゴッド・ファーザー
 ホビット庄から娘が帰ってきた。写真でみるあの緑の大地は、イングランドのゴルフ場が延々とつづいているようだ。土産はなかったが、元気で帰ってきたのがいちばんの土産、ほっと一安心だった。

 が、しばらくしたらイタリアへ行きたいという。ちとあわただしいんではないか。小五の息子がこっそりと教えてくれた。メールがたびたび入っているらしい。で、息子はパスワードを内緒で知っていて、それをこっちへ転送してきた。親しき仲にも礼儀あり、家族といえどプライバシーは守らねばならぬ。わかっているわい、そんなこと。あのパソコンはお古で息子のものなのだけれど、そんなことはしてはいけないと息子にきつく言い聞かせるつもりである。

 が、しかたなく翻訳してやった。イタ公の英語なんて簡単なものだ。同じクラスで勉強したイタリア人のタクシードライバーが、イタリアよいとこいつでもおいで、飯はうまいし楽しいところ、早くおいでと誘っていた。さすがイタ公、自国の男子たる本分を心得ている。

 さてさて、いかがしたものか。息子はえらく笑っている。意味がわかっているのかどうか・・・、うん? あの写真の男なのか。アル・パチーノの若いころにそっくりだ。あかん、あかん、コルシカ島へでも連れて行かれたら、ゴッド・ファーザーになってしまう。かけるなって、31日に録ったビデオ。