沈黙の石
 ぼくの体のなかにはサイレント・ストーンがある。その石は善玉ではなく悪玉のほうだ。だから、眠ったままじっとしていてくれるのがいちばんよい。万が一、再び目覚められたなら、ぼくは死なんかとさえ身悶えるだろう。苦しいからローリング・ストーンもやめてほしい。ぼくはぼく自身の意思で、我が肉体が躍動したり、滅することを望んでいる。神か悪魔か、いずれにせよ、運命じみたものに翻弄されたくない。

雨が降ったり、夏日のように照りつけてみたり、今年の収穫の祭りは荒れている。けんか祭り、死人、怪我人が出なければよいのだが。