なにげなく
 ひとのこころは、現実だけを見つめて邁進していくには、かなりの無理がいる。ひとはロマンなしには生きていけない。かと言って、ロマンだけを抱えて生きていると行き詰まる。とても現実と夢とのかね合いは難しい。それがうまくいかないと、世の中からはじかれて、とてもつらい目にさらされてしまう。

 現実では自分の感情を抑え、他人に合わせ、我慢して生きていることがけっこう多いものだ。そして、それはとても心身の健康に悪いことだ。ロマンを願いながら、ひとはとても矛盾の中を生きている。右往左往しながら生きている。

 だから、人生には明るくて、ちょっぴり奥深く、軽やかなスパイスの効いた、音楽や文学や映画や美術やスポーツや・・・・・、そんないろいろなものがとっても必要なんだろうと、僕は思う。