たった一日で
四半世紀住みなれた家が廃墟となった。
あしたには更地と化してしまう。
やむない改築とはいうものの、
新しきものがよいとは限らない。

見つけた品々への思いが、
おそらく10年前、20年前だと遡るにつれ、
忘却していた記憶を呼び覚ます。
ひとつの地に住みついたもののノスタルジアだ。

明るく広い空間を誇っていたマイルームは
タンスや布団で足の踏み場もなくなった。
今いる場所だけが唯一憩いの場である。

約二ヶ月の辛抱である。