The Master's Hand
告白のとき迫り
瞼に涙あふれ
生まれたばかりの種を押し流すとき
中から呼びかける声がする

何かをつかもうと
危なっかしげに
絶望的にさえ聞こえる声が
過ちを振り返るのはやめよと

カインのように
成り行きをつなぐ鎖が見えたら断ち切れ
激しい怒りの瞬間に
神の手が見える

人間という現実に
どうにかぶらさがって生きているわたし
ふるえる木立ちの中に
荒磯の砂粒のように