所詮政界も人気投票
田中真紀子外相が更迭されて,
小泉内閣の支持率が38パーセントに下がったようである。

小泉内閣はその支持率低下を回復すべく,
前国連難民高等弁務官、緒方貞子さんを
外務大臣にと打診しているらしい。

緒方さんは先のアフガン支援政府代表を
難なく務めあげ,その存在感を諸外国にも知らしめた。
彼女の難民支援における世界的貢献は大であり,
のちのノーベル平和賞に推されても然るべき人だと思っている。

彼女が外務大臣をやってくれるのなら,
今の日本にとって誰よりも適任かもしれない。
教養があり,賢明で,何より高潔な人である。

しかし,彼女は72歳である。
さらに彼女の人間としての美的生きかたを思うと,
彼女の余生をあの汚れきった日本の政界で
泥にまみれさすには忍びない気持ちを感じてならない。

田中真紀子はあまりにヒステリックだった。
お嬢さん育ちで人間の気持ちを理解しようとはしなかった。
正しいことと間違ったこと,その自己判断一つを武器に,
内部での人的交流も少なく,人心を把握することもせず,
やたら命令ばかりしていても人の心はついてこない。
彼女は官僚たちの反感を買いつづけた。
敵は自らの掌中にいたのだ。

大橋巨泉が議員辞職をした。
たった半年で自分の思うとおりにならないと辞めてしまった。
一年の半分を外国に住んでいて,
自由気ままな生活をしていた彼にとって,
苦労をせずともなれた参議院議員など、
お遊びの一つでしかなかったのだ。

大橋巨泉は元祖11PMの司会で名を売ったタレントである。
テレビでお色気とヌードを売り物にした先駆けの番組である。
彼の司会などというものは下品で見てられなかった。
傲慢な考えを言いたい放題言い,
気にいらない政治家や役人たちを虚仮にして楽しんでいた。

考えると所詮政治家もタレントと同じ,
人気投票だけのものである。
前任の大阪のセクハラ知事に東京の無責任知事,
彼らを選んだのは民衆だ。
束の間のお遊びのめがねの太っちょを
参議院議員に選んだのは国民だ。

いっそ大統領制を作って国民投票にしたら、
誰が一番票を集めるだろうか?
そりゃあやっぱり長島さんがいちばんになるだろうな。
彼が立候補するとしての話だが・・・・・・・。

日本の国民の政治レベルはそんなものなのだ。
経済二流国,政治三流国のレッテルはもう貼られている。

小泉内閣の支持なんていくら落ちたって構わない。
願うことは緒方貞子さんを倒れさせないでということだけである。