経済恐慌
 以前にも言ったかとも思うが、金融機関、投資業務を扱う機関にはカット・オフ・ルールというものがある。

 バブル崩壊後、金融機関等抱えていた資産は膨大な目減りをし、原価に戻るということなど奇跡でも起こらない限り、金輪際ありえないこととなってしまった。いわゆる不良債権である。

 だから、そのことを教訓にして作られたのがカット・オフ・ルールだ。投資したものの原価において、決められたパーセンテージを下回ったとき、自動的に決済する仕組みのことである。大幅な損失を免れるために常にそのルールは作動しつづけている。

 日経平均が一万円の大台を割り込む寸前にまで来ている。最近の東京市場は休日の日以外、下落しない日がないほどに下がりつづけている。

 東京市場の時価総額は、小泉首相が就任直後の五月につけた年初来高値時点の四百二十兆円から、ほぼ百兆円減っている。

 世界全体では昨年初めからの株価下落で十兆ドル規模の富が消え去ったとの指摘もあり、家計や企業への逆資産効果を警戒するムードが強まっている。

 今週中には日経平均が大台の一万円を切る気配がしてきた。今夜のニューヨーク市場がレイバーデーで休場のため、明日一日は持ちこたえるだろうが、翌日のニューヨーク市場の動き次第では世界恐慌という波乱さえ危惧してしまう。

 多くのお金が国債など安定運用に向かってはいるが、それでも郵貯や年金運用資金の少なくはない金額が株式に運用されているのをみなさんはご存知だろうか? 現状の含み損は膨大なものとなっていると思われる。将来において、このままでは現状の年金支給などおぼつかない。

 日経平均が一万円では、大手金融機関において、日本生命以外すべてが逆ざやとなる。不良債権処理にあせる銀行、諸々の金融機関が投資信託等の金融商品のカット・オフ・ルールを機械的に施行し、更なる日経平均の下落を助長させている。九月の中間決算では一体どんな数字が銀行からでるのだろうか?

 どうにもこうにもならなくなって、国の借金を国民の貯金で帳消しにするという日がこなければいいのだが・・・・・(なんにもなくなるという滅亡の日)