「時計」
朝 降りた霜の中に
凍りついたコトバが
落ちている

日の出とともに
溶け出すコトバたち

光 輝き 昇華する
コトバたちによって生み出された
時計は
永遠の時刻を進むのだな
たとえ
わたしが事切れようとも


コトバたちは再び凍る

歯車の音は
闇の隙間から聞こえる
一度 溶け出したコトバは
二度と 時間の奥に
閉じ込められないのだ

コトバで作られた時計は
誰彼の記憶の中に
滑り込んでいくよ