2002年11月の記事


「冬日休息」
光戯れる 日向の影に
冬がわだかまっている

「もう いいかい」
「まあだだよ」

冬が拗ねてしまわないうちに
みつけてあげよう

冬の衣をまとった花芽たち
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「ランナーズ ハイ」
自分の鼓動と呼吸のリズムを
からだ全体で許容し
ただ ひたすらに

足を運ぶ

右 左 右 左
足は間違いなく
前進する

右 左 右 左 右 左
立ち止まらずに
未熟な体力は 限界なはず
なのに、リズム不調のまま
足は  右 左 右 左

肺は悲鳴を上げているのに
意識は前進するのをこばめない

ランナーズ ハイ にはまだ遠い
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「痛いのは嫌い」
気が付いたら
アスファルトの地面を転がっていた
視界全部が灰色のアスファルトで
空と反転して
わたしの目の前に広がった

血だらけの頭

「家はどこなの」
抱えられたわたしはユビをさす
たどり着いたときには意識不明
気が付いたら、包帯のあたまで
布団の中

痛いのはキズ
ココロの痛みなんて知らなかった
幼い日

でも 今も痛いのは嫌い
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「冬の匂い」
明け方の大気が
張りつめた弦のように
高音を響かせる
音にならぬ匂いに
五感は冬をとらえる


透明度を増す空気に
落ち葉の腐敗臭
突き刺さる星光線の
冷たい舌触りは
特有の味覚

指先に触れるのは
陽だまりに咲いた
季節外れの黄色い蒲公英
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「時差恋愛」
年に一度 あるいは二度の
わずかな逢瀬
あなたにとって
それでも わたしは
特別ですか

自惚れていいですか
信じていいですか

わたしにとっても
あなたは特別なのですから
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「冬立ちぬ」
泡玉の月夜に
寒風さらす
干し大根に干し柿のれん
凍える夜は
熱燗待ち
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「冷たき風を抱き」
人ごみのザワメキも
落ち葉のカソけき音ねも
抱かれた風の冷たさに
誰しもが振り返る

気取ったステップを踏み
底知れぬ思惑をパートナーに
他人の不幸に微笑する
自分の倖を嘲笑う
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「風待ち」
塗りそこねた空に
渡り鳥 北へ向う

お芋蒸かして
子供の帰りを待つ
頬も手も まっかにして
帰ってくるのだろう

晴れたら寒くなる
冬も間近
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