星屑工房

生きよ生きよと
鳥が鳴く
生きよ生きよと
風が吹く

同心円の中心に
生きると書いて
雨が降る

生きよ生きよと
猫が鳴く
生きよ生きよと
花が散る

等角線の向こう側
生きよ生きよと
往く魂

生きよ生きよと
残された我
生きよ生きよと
耳に刻む

豪雨が
事件現場を洗い流し
街が何事もなかったかのような
日常を始める
リンクの画像は
テレビドラマのようだし
さっきまでそばにいた他人は
いまも他人のままだし
今　自分がいなくなっても
誰も気がつかないだろう
なんて思っている自分が
ここにいる

夕立が自分を
洗い流してくれれば
よかったのに