2003年05月の記事


「綿毛」
チガヤ、カモガヤ
たんぽぽ綿毛

あなたのもとへ
とんでゆけ

悲しいカケラを
包んでしまえ

また咲くあしたが
芽吹くよう
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「死刑執行人」
ただ彼は見ていた

斧を振り下ろすでもなく
銃の引き金を引くのでもなく
電源のスィッチを入れるでもなく
踏み台をはらうでもなく
突き落とすでもなく

ただ
彼は見ていた
死刑囚が息を引き取るまで
刑が下され
餓死するまで
病に伏し息をひきとるまで

死を
人の手によってもたらされる事なく
すみやかに
刑が執行されるのを
彼はただ 見ていた

それが
死に対する
尊厳である
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「反復」
リアルとヴァーチャルと
デュアルな出会い

現実と幻想の
絡みあったシグナル

寄せる波
 寄せる風
寄せる光

繰り返す出会いと別れ
構築と破壊
すべては反復の芸術コース
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「孟夏到来」
雷鳴が走る
田植えの空
木鈴を鳴らす
蛙の歌唱

夏の始まりを
反射する水面に
苗を差す
水はまだ冷たく
春が苦笑い
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「理想論」
科学者の眼を持ち
哲学者の思考をし
芸術家のコトバを語る

それから

はだかのままで
あなたを愛したい
偽り無く
裏切ることなく
ただ 未来を模索するままに
あなたを愛したい
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「牡丹」
むしり取った
天使の羽
春の嵐の残骸

猫がじゃれる
自分の仕業のように
得意げに
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「境界線」
踏み出せずにいる
本気になれずにいる
遊びのつもりになって
自分を偽っている

わかっている

その線を踏み越えたら
もう
あとにはもどれない
自分がいる

誰かが
自分に正直になれという
自分に正直になったら
他の誰かを不幸にする
境界線はそこにある

それもまた
ひとつの言い訳かもしれない
境界線を引いたのは
自分
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