2000年12月の記事


「時空の扉」
     解き放たれた扉の
     向こうに広がるのは
     未知なる蒼穹

     吹き起こる風を
     肉体の総てで受け止めよ

     されば
     啓示された道標が
     自ずと脳髄まで刻印されるであろう

     さあ
     その扉が閉ざされる前に
     行きなさい
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「Elephant Talk」
    象の
    コミュニケーションの話を
    聞いたことがありますか

    人間の耳には届かない
    大地を滑るようにはってゆく
    会話

    ジャングルの片隅
    群れから離れている一頭の象
    それでも、彼らは
    間違い無くコミュニケーション
    しているのです

    独りではない
    孤独ではない

    わたしの問いかけに
    答えがある

    象の笑顔が
    大地から
    伝わってきそうな気さえします
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「白雪の降るかな」
    悲しみの降り積もる

    喜びの降り積もる

    佇むわたしが無垢になれ
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「闇」
幼子のように
傷つきやすい
ひ弱な自我を守るべく鎧

他者を否定すること
己をごまかすこと
後ろ向きの愛
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「堕天使」
わずかばかりのプライドさえ
剥ぎ取られ
Webの深淵に沈められる恐怖に
抵抗する術は「怒り」
ナイフを手にする少年の心

   カナシイ  カナシイ
   と
   心が軋む

   クルシイ  クルシイ
   と
   魂の裏で声がする


ナイフの代わりに
わたしは薔薇の花を手にした
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「アルコホル」
    大人が
    子供に戻るための
    媚薬

    けれど
    子供のほうが
    感情的で残虐であることを
    皆
    忘れがちであるんだ
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「五線符」
電線に
   スズメ 
        カラス
 

      トビ

ハト
       ムクドリ
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「生きること」
「死ぬのが楽しみ」
と言ったら
「わたしも」
と17歳の長女が言った

死にたい のではなく
いつ死んでもかまわないと思う
それだけ 精一杯 生きている

死んだらどうなる
それは 死んだときに解ればいい

生き急ぐことはない
死に急ぐこともない
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「ボディ・コミュニケーションその2」
    四十八手
(以下 自主規制により 表現不可)


コミュニケーションしたつもりになっている
男と女
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「ボディ・コミュニケーション」
    子供の頭を撫でる
    母の手

    恋人達のくちづけ

    殴りつける拳
    その「怒りと悲しみ」を
    誰が受け止められるのだろう
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「ワン・コール・テレフォン」
画面の文字は

「あなたはそこにいますか?」
「わたしはここにいます」

それだけのつながり
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「お稲荷祭り」
家の裏にはお稲荷様が奉りてありまする
明日の夕暮れ「お稲荷祭り」
鰯、お豆腐、お揚げに赤飯、
お神酒も一緒に進ぜましょう

供えし後は、
うしろを見てはなりませぬ
お稲荷様が食べてる様を
けして見てはなりませぬ

さてさて、お供え下げるのは
子供の役目と決まりです
暗い参道、竹林
わき目も振らず、一目散
後ろを振り返ってはなりませぬ

いまは少なき因習にてございます
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「添い寝」
何をするでもなく
わたしの体を探り遊ぶ手

今日
何か辛いことでもありましたか
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「上州からころ」
上州からころ
空っ風
カンから蹴飛ばし
からころりん

赤城のお山は
女体の形
かかあ天下の山颪

上州からころ
空っ風
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「抱擁」
北風に抱かれて
夢を見る

魂の嘶きを
大地の雄叫びを

愛される悦びを
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「セリフ」
「あなたには
エロスの愛ではなく
アガペーの愛を捧げよう」

振られたセリフにしては
生殺しだ
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老後
蓼食う虫も 好き好き

割れ鍋に 閉じ蓋

似たもの夫婦

夫唱婦随

理想は「かさ地蔵」のじいさまばあさまだけど
あんな「地蔵さま」いるわけない
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「雑草」
都会の道端
大地に根を張り
あなたを見上げている

田舎の畑の中
我が物顔にはびこっている
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