2004年07月の記事


「夕蝉」
     茜色
     雲を遮る
     蝉しぐれ

     網戸にも
     とまれる蝉の
     超音波

     せわしなき
     蝉のはらわた
     猫が喰う

     暑きにも
     涼しき音にも
     聴く勝手

     出るべきを
     早まったかと
     鳴かず蝉

     寿命とは
     土中七年
     外七日
     長きととるか
     儚きとすか
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「夕立雲」
     雲は全てをかかえて
     雷鳴を響かせる
     漆黒のかたまり
     穿つように
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「夏のこども」
     裸足で駆けていく
     太陽は
     自分のものだと言わんばかりに
     夏のこども

     コントローラー抱えて
     時間は
     自分のものだと主張し
     夏のこども

     空腹と孤独をまといながら
     仲間は
     自分の家族だと言い放つ
     夏のこども

     大人は夏の暑さを呪い
     時間の足りなさをうめき
     護る方法の選択を間違える

     季節がめぐるのと同じく
     夏のこどもはおとなになる
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習作その3
若き日を偲ぶ


その一  若かりし時を思う

その二  若い時をたずねる

その三  青き日々を綴る

その四  未熟な体験を公開する

・・・だんだん、意味が違ってきているような(^^;
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「夏の裏庭」
     妖精が
     翠の髪を
     そよがせて
     蚊の餌食さそう
     夏の裏庭
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「お気に入りの場所」
     はめ殺しの高窓から
     夏の光が差し込む踊り場

     階段の最上段にすわり
     白い壁紙に映りこんだ
     揺れる影を追う

     何もない空白の時間を
     膝の上に広げた書物で埋める

     自室の夫の気配と
     階下の家人の雑音をBGMに
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「夕闇」
     玄関先の階段に腰掛け
     枝豆をむしり取る

     ブチッ ブチッ ブチッ

     夕暮れは足早に
     闇を手招きし
     紫色の花が青を増す

     ブチッ ブチッ ブチッ

     たまに蚊を叩き
     ふっくらと実った莢を
     枝からむしる

     身のうちにできたポリープを
     かきむしるように
     かきとって、笊に入れる

     ブチッ ブチッ ブチッ

     闇が背中に迫る


(枝豆は、朝取りが一番うまい! 夕方だと
枝から取ってる間、蚊が飛んできてかゆいのよ) 
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「災難」
     アリジゴクの穴に
     ダンゴ虫落とす
     ホールインワン
     残酷な自分
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「庭先」
     ゆうれいのように
     立ち咲くネジリ花
     リュウノヒゲの群れに
     勝る存在感

     ただ 数えるほどに
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