2005年07月の記事


「夏の日差しは厚い雲の上に」
熱だけがあたりを覆う
風が澱む
人類が犯した罪を戒めるように
雷が地を撃つ

笑う人々
平和であれ
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「雨の日に見る夢」
このひとつぶが
世の中のしあわせなら
どんなにかいいだろう

この小さな流れが
あなたに向う幸いだったら
どんなにかいいだろう

この雨音が
すべての不協和音を
交響曲に変えるものなら
どんなにかいいだろう

雨の日に見る夢が
あなたと同じなら
どんなにかしあわせな気分に
なるだろう
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「繰り返し」
何度も繰り返す
「アイシテイルヨ」のコトバに
辟易してきたころだ

「アイシテイル」
「アイシテイナイ」
「愛している」
「愛していない」
「あいしてるよ」
「あいしてなんかない」

繰り返しながらも
時間にはまっていく

「アイシテイルヨ」
「アイシテイルヨ」
「アイシテイルヨ」

と囁いてみたところで
ほんとうの気持ちなんて
量れない

「愛してるわけじゃない」

でも、

「嫌いじゃない」

繰り返される問答に
辟易
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「歩み遅かれしとも」
歩み遅かれしとも
その先にあるものを
いとおしむ

歩み遅かれしとも
この大地に
立つ

歩み遅かれしとも
わが天空は
蒼のままにある
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「夏の朝」
昨日に別れて
アサガオ咲く
濡れ葉の先の
落ちる露
確立35%で
水蒸気になる
今日の気温
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「熱帯夜」
粘着質を含んで
夜が降りてくる

夕べ 忘れかけていた
夢の続きを枕に
はさんでみる

羽虫の羽音が
かすかに
先を急ぐのは
逃げていく夢を
追いかけているのだろう
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「リズムボックス」
スローテンポからはじまる
日常は
アップダウンを繰り返し
ポップなリズムを繰り返す
笑ってしまえるジョークなら
サンバもサルサも違わない

情熱的な演目とはうらはらな
メヌエットで沈む夕日は
優雅な眠りを拘束
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「灯りひとつ」
ほんのりと灯
待つように ぽ
揺らめいて ふふん
きらめいて しゃらん
水面に移る 月灯り
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「夕立」
風が吹き起こる前に
雨が、トタン屋根を叩く
闇の中に
ひびく音は夏の和音

冷気を含んだ風が
温暖化現象の室内に
吹き込む就寝前の時間
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「カナブンの羽音」
ただひたすらに
葉を蝕す
鳴くでもなく
毒でもなく
ただ生き様に
葉を食べる

無慈悲なまでに
喰い尽くす
生くるために
子孫のために
喰い尽くす

葉は、枯れ果てる
その羽音とともに
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「はじけたラムネのあわのように」
止められない
この感情を
もてあます

息を止めて
飲み込んでしまおうか
あとが
苦しくなるのもかまわずに

ほっといて
はじけて消えてしまうのを
黙ってみているのも
ひとつの手かもしれないね

しゅわっと ぱちんと
わらって おしまい
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「寄り道」
ファミレスで
朝食を摂る
非日常
窓越しにかかる
降る雨の軌跡
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「破壊」
砂の城を壊すのは
いとも簡単なように
嘘で固められた壁は
自らの重みで
崩れる

堆く積まれた
瓦礫は
希望を埋めるのか

あるいは
均された大地を
見出す事ができるのか

破壊する者は
何を破壊するのだろうか
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「雲の上の青い空」
梅雨明けもまだ
ねばりつくような
重い大気

うなだれた紫陽花の
葉陰のカマキリ
雲に滲んだ
青を見上げる

世界のどこかで
また誰かが死んだ話ばかりが
横行し
自分の未来を
空の雲に映写してみる

空はきっと
青いんだ
そう確信
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「リズムセレクションが描画に選択される情景」
どん どどん ど どん
どどどどどど どどん
どん どどん ど どん
どどどどどど どどん
どどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどど
どどどどど          どどどどどどど
どどどどどどどどど どどどどどどどどどどどど
どどどどどどどどど どどどどどどどどどどどど
どどどど           どどどどどど
どどどど どどどど どどどど どどどどどど
どどどど ど どど ど どど どどどどどど
どどどど どど ど どど ど どどどどどど
どどどど ど どど ど どど どどどどどど
どどどど どど ど どど ど どどどどどど
どどどど どどどど どどどど どどどどどど
どどどど どどどど どど ど どどどどどど
どどどど どどどどどどどど  どどどどどど
どどどどどどどどどどどどどどどどどどどどど
どどん どどん どどん
かかかかかかかかかか か かかん
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「非対称」
放り上げた感情は
非対称の放物線を描きながら
あなたの
足元へ落ちてくる

秒速0.3メートルの速さで
ゆっくりと
落ちてくる

爆発寸前の
手榴弾

感情は非対称を描いて
あなたの足元に
落ちてくる
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「不毛」
乾ききった大地に
芽はあらず
まく種は尽き
飢餓はおさまらず
人類は
泣く事すら
忘れる
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「雨」
雨が
罫線になる
あなたとわたしの

鏡のように
雨が降る
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「ロンド」
めぐりめぐる回転
何度も変わるパートナー
くるくるまわるフレーズは
あなたの視線を
半音上げて
ドレスの裾を踏んでいる
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「朝顔」
生きるために
絡みつく
残すために
咲く花を
愛でる人は
朝を待つ
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「夏」
朝の光の中に
季節の粒子が
拡散する
手に取るように
鳥の声
影にあるのは
夜が忘れた
静けさのかたまり
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