2008年09月の記事


「目覚めれば」
目を覚まし
僕は「ぼく」の演技をする
ベッドから這い出て
パジャマを着替え
顔を洗い
朝食を食べ
学校へ行く

級友たちと挨拶を交わし
授業を受け
先生の質問に
そつなく答え
教科書を閉じる

教室の窓の外は
雨だったり
曇りだったり
晴れ渡っていたり

下校時刻を過ぎたあたりに
風が吹き
「ぼく」は目覚める

僕はいま
年老いていくばかりで
なにも残してはいないのだ
と、気がつく
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「残暑」
蝉の鳴き声と虫の音が交差する夕べ
日の落ちる時刻も早まり
人は足早に帰途につく
夏は名残惜しげに帰途につく
夏はいったい
どこに帰っていくのだろう
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