「走行車線」
ただひとり
走らせる山道を
セミの声が追いかける

対向車もなく
前後を走る影もなく

山の風と一体化したように
ハンドルを切る

曲がりきったカーブには
蒼なる雲海が静止する

道標に表わされた走行車線は
大気との境界