童謡
我が家の菜園がカラスの被害にあっている。
田園地帯なら予防策もとれていただろうが、
市内地にあっては予期せぬことだった。
麦わら帽や案山子もどきのものを立てたり、
金銀のエナメルテープを張り巡らせて
一応の予防策を講じたが、
防鳥ネットを張らないといけないかもしれない。

小三の息子が手伝って植えたスイカに実がついて、
かなり大きくなっていて、後十日で食べられるほどだった。
赤いトマトも七つほどやられてしまった。
息子が怒っている。

「おかあさん、僕、カラス大嫌いだ。音楽の時間にカラスの歌があったらもう絶対歌わない。あの歌はインチキだ」

「あの歌はね、ずっと昔に作られたから・・・・・、昔はカラスは悪いことしなかったの。歌わないと先生怒るよ」

「クチパクでごまかすもん。それよりカラス捕り器ない?」

「保健所にあるかなあ。猫捕り器があったくらいだからあるかもね。おとうさんに聞いてみたら」

そんなものあるわけない。
あれば都会でもカラスの害には困らないだろう。
何度でも引っかかる馬鹿な猫とわけがちがう。
でも、昔でも案山子があったほどだから
カラスの害には困っていたはずである。
きっとあの童謡を作詞した人は、
カラスの害を知らない都会の人だったんだろう。
ただ夕暮れにカラスの鳴く声を聞いて
叙情的なイメージを想像したんだと思う。

欧米ではカラスは悪魔の象徴として忌み嫌われてきた。

「あほうあほう」と鳴く声が
やさしく「かあかあ」とは聞こえないが
作詞した人は歌のために創作したんだろう。

「カラス、なぜ泣くの、カラスの勝手でしょ???」

PS ちなみにかわいい七つの子とは、七羽の小さい子供のことを言ってると思えるのですが、一般的には七歳というのが妥当なのでしょう。鳥の七歳は人間では老人ですね。