客寄せパンダ
埼玉県狭山市で木曜日から開催されている
日本プロゴルフツアートーナメント、
ダイアモンドカップに二人の選手が主催者推薦で出場している。

一人は元プロ野球選手で現在タレントのデーブ大久保
もう一人は元Jリーガーの磯貝洋光だ。
共に昨日予選落ちしたが、
予選通過ラインが3アンダーなのに対して
大久保が15オーバー、磯貝が21オーバーと
およそプロとはいえぬ恥ずかしいスコアだった。
むろんビリケツとその一つ上である。
ゴルフ用語ではブービーとブービーメーカーというのだが。

二日間のコンディションはベストで
あの平易なコースなら
彼らのスコアは私ででも出せるであろう
全くのアマチュアスコアだった。

日本プロゴルフ界はスター選手不在の状況である。
人気者の丸山茂樹や田中秀道がアメリカツアーに参戦しており、
すでに55歳となったジャンボ尾崎など昔の名前でしかない。

不況により年々スポンサーが降りてしまい、
バブル期に比べるとトーナメントの数はずいぶんと減ってしまった。
どうにかスポンサーの受け皿が
消費者金融各社によって支えられているというのも皮肉なことだ。

ゴルフ界はあの手この手で人気回復を図っているのだろうが、
状況は野球界のメジャーリーグ志向よりもずっと悪い。
島国だけと大陸とではレベルの差がありすぎて、
見る側がちっともプロスポーツとしてのジャパンツアーにわくわくしないのだ。
ときおり「へたくそ!」と言いたくなるときがある。

プロゴルフは一匹狼が賞金稼ぎをするスポーツだ。
一日も早く経済回復を遂げて
アメリカツアーに負けないほどの賞金を用意して、
世界中から一流の賞金稼ぎを呼ぶことだ。

プロスポーツとは、
プロフェッショナルたちが
常人ではなしえないスーパープレーを見せて
観客を感動させ楽しませるものだと、僕は思っている。

デーブ大久保や磯貝洋光などは客寄せパンダにもならない。
あまりに拙さに目障りこのうえないし、
知らない人が見たなら失笑をかうだけである。

マンデートーナメントから自力で這い上がってきて、
4アンダー39位タイで予選を通過した
高校生ゴルファーの中西雅樹(17歳)君のことを
主催者やプロゴルフ協会はどう思っているのだろうか?
もちろん彼はアマチュアである。
デーブたちは一応プロらしいが、マンデーを這い上がる力は絶対ない。
いまこそ十代の選手たちの育成に力を注ぐべきときだとは思わないのだろうか?

客寄せパンダで集客を図るなどという姑息な手を使わないで欲しいものだ。
プロゴルフ協会は、もっともっと若い選手に門戸を開くべきである。
世界のTOYOTAがスポンサーをした中日クラウンズでは、
イングランドの新鋭二十歳の選手が
時差ぼけのまま初出場し
ぶっちぎりで栄冠を手にした。
世界ランキングの五十位以内にランクされている三人の日本選手は、
彼と優勝を争うことがなかった。

デーブはまた6月の読売オープンに推薦出場するらしいが、
馬鹿らしくて誰も知らんぷりを決め込むだろう。
折りも折り、ワールドカップでスポーツニュースには事欠かないんだぜ。