ひまわり
故夏目雅子の大好きだった花と映画。

わずか二週間の結婚生活、
第二次世界大戦のイタリア。
夫は戦争が終わっても帰ってこない。

夫を探してロシアの地まで足を運んだ妻、
その妻が見つけたものは、
美しいロシア人の妻と子供たちに囲まれ、
平和に暮らす夫の姿だった。

そこには見わたす限り咲き乱れるひまわりの花。
そのロシアの大地に、悲痛な愛と別離のドラマが繰り広げられる。

アントニオは逃げるようにイタリアへ帰ったジョヴァンナを追って、
ミラノを訪ねていくが、
すでに二人の心は離れていて、
アントニオは寂しくロシアに帰っていく。

切なくなると、この映画音楽を
いつもピアノで弾いていたという。
ロシアに咲くひまわりを想いうかべながら、
悲痛な愛と別離を想いうかべながら・・・・・。

夏目雅子が十七歳のとき、
母と見た忘れえぬ映画「ひまわり」

奇しくも今年の我が家の花壇は
ロシアひまわりで埋めつくされている。

あのロシアの大地には、はるか及ばないが、
あとひと月で花開く百本を超えるひまわりは
ヘンリー・マンシーニの切ない音楽を奏でてくれるだろう。