「雑草」
    田を耕す人がいる
    山を駆る人がいる
    海を馳せる人がいる

    ただそこにあるものは
    名も告げられず
    打ち捨てられ
    目的も遂げられずに枯れ果てるのか

    田を耕す人はいう
    肥やしになれと
    山を駆る人はいう
    生き物の糧になれと
    海を馳せる人はいう
    命の棲家になれと

    名もなきものに
    名を授けるのは
    雑草の神々

    人はそれを学者と名づけた