「いのちの器」
ひとは
生まれてくるときに
三つの器をたずさえてくる

ひとつは 知
ひとつは 心
ひとつは 健

それぞれを入れる器

空っぽの器に
いろんなひとからの優しさや
戒めや 勇気や 喜びをもらって
いっぱいにしていく

わたしは三つの命を産んだ

一人目の子の器は
母の愛が足りなくて
なかなかいっぱいにならなかった

二人目の子は
充分な愛を注ぐ余裕があった

三人目の子は
生まれた時にほんのすこし
「知」の器が壊れていた
注いでも、注いでも
その器はいっぱいにならない
でも、ほかの二つの器が
いつかは補ってくれることを
願っている

ひとは皆
たくさんのひとからの
愛で
器を満たして
生きていく
そんな風に信じてみたい