「老婆」
     疲れきった表情をしたまま
     バス停に寄りかかる年老いた女
     みすぼらしい
     あんなふうに年は取りたくない
     あんなふうに?
     あんなふうに!
     あんな風に・・・・
     わたしは彼女の人生を
     どれだけ知っているというのだ
     彼女の人生より
     どれだけ価値のある人生を
     送っているというのだ

     佇む老婆の笑顔を
     想像して
     わたしはその場を去った