奥田英名 「町長選挙」「空中ぶらんこ」(文春文庫)
ハナミズキの季節です。
白が咲いていました。⇒「散歩」

「町長選挙」には4つの作品が入っています。
①「オーナー」
②「アンポンマン」
③「カリスマ稼業」
④「町長選挙」
なんといっても、面白いのは④「町長選挙」です。
村・町の共同体とはなにかを考えるのにとても参考になります。
勿論、医療の業界と、業者の癒着振りは凄くて、
ここまで書いて大丈夫かと思う作品です。

①は読売・巨人関係者の渡辺さんがモデルですね。
どう考えても、巨人(?読売新聞)の「オーナー」の話です。

②は「ホリエンモン」がモデルです。
IT起業で大成功。何故、こんなことが犯罪なのか。
なぜバッシングされるのか。いろいろ問題提起が多い小説です。

④は町長選挙で現金が乱れ飛ぶのですが、
公務員が勤務中に選挙にかかわるのはおかしいのでは?
と思っていた人が、いつの間にか双方の運動員から現金をもらい、老人会の票をまとめることになりました。
小説は、「町民意識」とは何かを訴えて終わります。

「空中ブランコ」の2番目の小説「ハリネズミ」はヤクザが主人公ですが、
このヤクザ、とても優しい(?)人で、ヤクザ向きではないようです。
小説の結末はだいたい分かるが、でも本当はどうなるのか?
(足を洗うのか? 簡単に堅気に戻れるとも思えないが?)
分からないのですが、ハッピーエンドみたいな雰囲気で終わります。

編集 ojisaninomoide : 今年は花暦がすこし早めなのかと感じています。■②は面白いです。①と②は間違いなく実在の人物と重なり、面白いです。
編集 yuma : 桜が終わればハナミズキですね。去年GWに見たんだっけ・・・②が面白そう