2012 11/30 16:42
Category : 気侭な 読書
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将軍吉宗と大岡越前はいつも善人として描かれていると思います。
それが、今回の小説では全くの「悪人」。
権力を握るためには殺人も行います。
これ、たんなる「お家騒動」ですね。
吉宗のイメージが壊れる小説、ただいま読んでます。
*「鬼の吉宗--将軍への黒い道--」(麻倉一矢)祥伝社ノン・ポシェット
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「盗っ人奉行」(上)(下)(角田喜久雄) 春陽文庫
盗っ人奉行とは、大岡越前のことだったのです。
奉行が、ある方の蔵から、事件の証拠品を盗み出します。
と、言っても、別にそれで犯人を逮捕するわけではありません。
奉行は辞職願いを出します。
将軍は、ご苦労であるがよろしく頼むと、
今度は寺社奉行を命じます。
町奉行は3千石の職。
寺社奉行は万石の職。
吉宗は、これからも越前に大きな仕事を頼むようです。
めでたし、めでたし。
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この話は、吉宗の後の将軍を誰にするのか、
ここがポイントなのです。
ある人物が、自分の娘を将軍の母にしたいと願います。
娘さんは、奉公に出ていて、田安家の殿様・宗武(むねたけ)の目にとまりました。
田安家の殿様が将軍になれば、
娘が男子を産めば、・・・・。
さて、この人物、どんな手を使って、自分の娘を将軍の母にするのでしょうか。
果たしてうまくいくのでしょうか。
吉宗は、御三家のほかに御三卿を置きましたが、
その田安家がこの小説に絡んでいるようです。
*田安家⇒始祖は徳川宗武(むねたけ)(第8代将軍徳川吉宗の次男)
*(おまけ・清水家は9代将軍の次男が始祖)
*(〃・一橋家は吉宗の四男が始祖)
単純に言えば、長男を蹴落として、次男を将軍にしたいと考えた男がいた、と言えばいいのかも知れません。