二人の恋物語 めでたし、めでたし。


白と紫(このところ、毎回同じですね)


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昨日の読書=「家康の靴」和久田正明 徳間書店 わ12-7
 
「はぐれ十左御用帳 家康の靴」です。
ISBN978-19-892999-2

先日の「はぐれ十左御用帳 狐の穴」と同じシリーズものです。
主人公は北町奉行所の隠密廻り同心 鏑木(かぶらき) 十左(じゅうざ)。
今回は「左遷」(降格)で牢屋の同心になりました。

でも、今回も、老中・松平定信の命を受け、事件の探索をしているようです。

一人の小悪党(盗人)がわざと捕まり、牢屋に入ります。
この盗人、隠密同心の手引きで、脱獄します。

江戸城の蔵の中に、徳川家康の「靴」があります。
この「靴」が盗まれたのです。
2人組の盗賊のうち、一人は追っ手に切られ、捕まります。
一人は逃げて、「安全地帯」の牢屋へ逃げ込んだのです。

この二人組の盗賊に盗みを唆した「大物」がいます。

隠密同心は、わざと「降格」で牢屋の番人になり、
取調べの機会を使い、脱獄を唆したのです。
牢を出て、裏で動いている「大物」のところへ行くのではないか。
関係者ををあぶりだすためです。

逃げた盗賊は「金儲け」のため、
「靴」を高く売りつけます。
「千両」と値をつけ売り込みます。

しかし、ばっさり切られてしまってはかなわないので、
「靴」はある人に預け、交渉に行きます。

預かった人は(脱獄を知らないので)捕まったのではもう取りにこないだろうと思い、
質屋に持ち込みます。

質屋は一分二朱で買い取りますが、(持ち込んだ人が)利息を払わないので売り払いました。

買った人は「お旗本の尾花新十郎」。


家康の靴は、家康が西洋人から入手した革靴のようです。
家宝とも言うべき「お宝」を盗まれたら責任者は「首がとぶ」ことになります。

なんとしても取り戻さなくてはいけません。

盗みをウラで操ったグループは「責任者の失脚」と同時に金儲けを狙っているのでしょうか。

どうやら、武家の世界の、
それも江戸城の中の「偉い人たち」の間の抗争のようです。

どんな結末になるのか、・・・・。
と思って読んでいると、美しい(剣術使いの)女性が登場。
隠密同心を助けて働きます。

話は、二人の恋物語と変わり、最後は(悪党相手に)二人が剣を振るい、大活躍。
めでたし、めでたし。

編集 ojisaninomoide : 「悪は滅びる」+「歴史上の事実」=結末はハッピー。実に分かりやすい筋でした■靴は西洋人の靴ですが、家康へのプレゼント(サイズをあわせてあるようです)ですから、値千金→いや「万両」でしょうね。
編集 yuma : へ~靴。どんな靴だったんでしょうね。そっちが気になる^^;
編集 テラマチ : なかなか面白そうなストーリーですね