師走篇 3
18.やわらかな あかりの中で
   ようやく心をなごませる
   心の傷口はまだ滲んでいるけれど
   もう時計の言うとおり
   進まなきゃ
   親切な 時間
   誰にでも 流れてくれる時間
   徐々に今までの出来事を
   うすめてくれている


19.納得のカードをとりだして
   シャッフルして
   納得のカードを引き当てている


20.ふわぁっと
   ふわぁっとした
   羽毛のような 君の優しさの中で
   ごろん
   ごろんって
   転げまわってみたい


21.金魚は感づいた
   金魚鉢をじっと見つめているやつ
   おれの処遇を考えているな


22.あ〜ぁ
   溜息のスタンプカードでもないかなぁ


23.過ぎ去りし 幸福の日々
   好き去りし 降伏のヒビ


24.知らん顔の曲がり角
   曖昧な看板だらけ
   行方不明の目的


25.絶対四角いっていう君
   どう見ても譲れないよ
   シャボン玉


26.うるんだ君の瞳
   理由もわからず
   あせっている理解
   すべてわかってるって
   君は思ってるんだろうけど


27.名もない 草花
   平静に風に揺れ
   平静に踏まれ
   名もないまま
   枯れ果てていく