自由なメモ �U
1.この階段は 海岸へと続いていた
  潮の香りが一面に漂っている
  船が港を出て行く
  また潮の香りがする
  そこで自分は思った
  ここでは僕はお客だなぁ
  こんなに違和感を感じているようじゃ
  ここに身を置くことはないだろうと


2.自分は
  何度嫌になっても
  自分なんだから
  ほんと
  自分って得しているなぁ


3.目を閉じた小鳥
  小枝にとまり
  じっと世の中のことを考える
  どうしょうもないな
  チュッと舌打ちすると
  広い大空へ飛び立った
  
  どうして人に翼がないんだろうか


4.白と黒の信号
  日中は白で
  夜は黒がひかる
  だれがどう認識して
  どう判断するんだろう


5.皆に消毒液を
  ふりかける
  どうだ わるい心は
  なくなるだろうと
  確信している
  なんでそんなことが
  まかり通るんだろう


6.綺麗なマニキュアをおしゃれした
  ザリガニの娘
  意中の彼を見つけて
  土をかき分けもぐってしまう


7.ゆるやかな草原
  そよそよと風が吹く
  ぽつんと白い雲
  小鳥のさえずり
  だれもいない牛舎
  ひとは風景をつくり
  ひとは風景をかえる


8.小さな氷の表面に
  生物は生存していた
  その溶けた水分を飲み水にしていた
  
  顕微鏡でのぞいていた研究者は
  その生物に気づき
  保存のために 凍結した


9.どうして ゆるやかに 
  育たないんだろう
  偏っていくのが
  個性なんだろうか


10.いったい 何を伝えてんだろうか
  全然違ったものを
  呆れ返るくらい…
  全然ダメなものを
  呆れ返るくらい…