春の夜長    / おとなの詩集系
1.どんなものにも 限界がある
 僕の行く道は
 考えるだけで退屈な道すじだ
 ところがどうだろう
 歩いてきた道って
 もう ヒヤヒヤものなんだよね
 おかしいや


2.もう 数えきれないほど 間違った道を
 選んでいるっていうのに
 まだ そこに正しい道と間違った道の
 選択が用意されている
 ご苦労さん 運命さんよ!


3.どこにでもころがっている性欲と
 どこにも見あたらない超越と


4.相当悩むってことが あるんだろうか
 そりゃあるさ
 どんなことで? どんな風に?
 うーーん それ相当悩むなぁ


5.好きっていう衝動
 愛してるっていう静寂


6.無意味さ感じる 消耗世代
 意味多きはずの 耐乏世代


7.見えない遠くの修復に
 目の前のすべての手段を使い切る
 出せる勇気と 臆病な勇気 


8.胸の谷間に 男達の視線を落としこみ
 いつのまにか じぶんが
 妖しげな誘いに落ち込んでいる


9.終わりじゃない!
 きみのセリフは まだまだ用意されている


10.消え去る 過去の出来事
  消し去る 過去の傷跡


11.薄着な 君の一日
  薄日な 僕の一日


12.つめたいマニキュアの光に
  僕の心が乾いたころ
  君はくつろぎのタイムに居る


13.この交差点の定点観測
  カフェから眺める人物の様々な風景
  いつも車で通り過ぎる一瞬の風景
  同じ地点なんだね
  どっちも本物なんだね


14.ガラスの檻に入って
  獲物を見逃す無表情な動物
  ここにあるジャングルには
  異様な狩に向かいそうな
  予備軍が控えている


15.アオスジアゲハ 硝子のひさし
  抜けられず
  まきこむ風に いまだに気づかず


16.この やわらかな風に
  この すずしげな風に
  もう 忘れそうな風に
  あと少し
  付き合ってほしい


17.きみがぼくのヒザのうえで
  うつ伏せになった時
  ぼくの野生の部分が目ざめる
  やっと いのちを感じる


18.木陰においた僕の情熱が
  ラップされたまま
  だんだん溶けかけている
  原型も
  いやその存在さえ
  思い出せない程になってきそうだ


19.しあわせをあげましょう!
  さぁ どうぞ
  遠慮はいりません
  もともとあなた自身のものですよ
  そうそう 笑顔で受け取ってください!


20.今夜は どんな夢が訪れるんでしょうね
  さぁてと
  あなただけ こんばんわ!