Azuさんへの投稿詩より
「うつろな二人のひととき」


むこうを向いた君の

近寄りがたい雰囲気を

僕が感じることを

君は知らない まだ


こんなに傍にいるというのに

さっき言葉を交わしたばかりだというのに

もう君を憧れたように

遠くに感じて見つめている


知らない まだまだ君のこと知らない

ショーウィンドウに映る君と僕は

まだはっきりとした輪郭を描けないでいた





「ゆきげしき」


ちいさなころ 

朝のゆきげしきに わくわくした

ゆきだるまに ゆきがっせん

そんなことしかひらめかない

とりあえず急いで着替える

待っているのは雪かき

人の通る道は細くていいけど

車を通れるようにするのは大変だ

竹に積もる雪は重さに耐えきれず

ぐっと腰を曲げてトンネルをつくる

僕はそれをたたいて元に戻す

背中に雪がどっと降りかかる

そんな風景がなつかしい

自分だけのゆきげしき

いまだに残るゆきげしき




「それだけでいいよ」


愛情の表現って

考えると もう素直じゃなくなる

パレットの色を

あれこれ混ぜちゃうと

どんな色が出したかったのか

わからなくなってしまうよ

それといっしょ

好きっていう そのままの色合いだけで

いいんだよ




「たそがれ」


だれが 入れたんだろう

学生かばんの

サイドケースに入れられた紙切れ

黄昏  それだけが書かれてある

あれこれ思ってみたけど

もし想像どおりでも

嬉しいっていう気分じゃないし

もう そのままにしておいたよ




「表現と感性と」


息をしている言葉

歩きはじめる文字

眠っている自分を

黙って起こせるほどの魔力がある



「朗らかな詩」  (題はAzuさんより)


夢にすずをつけましょう

みんな何かなと寄ってくる

かわいい音でたのしくなる


夢に福をつけましょう

みんなほほえみ待っている

やさしい仲間でうれしくなる