おとなの詩集  晩秋篇 2
8.銀河鉄道 世界の天上を走る
  しかし 今に至って
  もう あんまり 降りていけるところ
  なくなってきたよう!

9.菌は怒った
  僕たちも生きる権利がある
  勝手に僕らの仲間を誘拐して
  変に育てておいて
  いまさら悪魔のような扱いしないでよ
  でもね 今はそう呼ばれても
  仕方ないって思うけどさ…

10.渦巻きに 吸い込まれていく
  夢の粒を 吸い込まれていく
  僕は 必死にそれをかき集めようとして
  段々 自分の身体も
  渦に巻き込まれていく

11.井戸が掘り起こされ
  周囲の豊かな水が
  はいり込んできている
  さぁ 井戸の中で暮らしていた蛙さん
  どこへ流れていきましょうか

12.ききじょうず
  香る野菊に
  虫や ひと

13.急がねば
  わたの階段
  踏みしめて

14.霧がない
  こころの鏡
  磨くには