「忍びの旗」 愛か任務か――甲賀者の苦悩
「忍びの旗」池波正太郎 新潮文庫 



甲賀忍者・上田源五郎は、亡父の敵とは知らず、その娘を愛してしまったのです。

敵である義父と不思議な親子の生活が始まります。

お互いに忍者であることがわかった後も、
義理の親子の生活は続きます。

豊臣軍が小田原を包囲し、支城を次々と落とします。
主人公(甲賀忍者・上田源五郎)がいる城(武蔵野国の支城)ももうじき落ちます。

このとき、
義父は、城を出て小田原へ向かいます。
篭城する小田原城の殿様、家来どもに、華々しい戦いを見せるつもりです。
戦いに勝ち、局面(講和の条件)を有利にしようという腹です。

甲賀(豊臣・徳川側)からの義父を殺せという指令が来ました。

主人公、困りました。
「任務」をとるか、
裏切り、妻やその父の命を守るのか。
義父を殺さずにすむ方法は無いのか?

いろいろ考えて、主人公はある行動に出ます。

この後は、書かないほうがいいですね。
ぜひ、手にとって、読んでください。

http://www.shinchosha.co.jp/book/115619/
簡単な解説は(↑)ここにあります。

http://loungecafe2004.com/novels/2005/07/25-163408.php
こっちはかなり詳しいです。
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徳川が天下をとった裏には、情報戦の勝利があるらしい(受け売り・出展不明)。
この小説を読むと、情報網なしには戦ができないことがわかる。

10年、20年かけて作ったスパイ組織も、
一仕事終わったら解体ということもあるだろう。

この小説の主人公は、忍者の子どもだ。
甲賀の里が、一族の統率力を失い、
戦国大名に、個別に、雇われていく過程を描いているようにも思えました。

編集 ojisaninomoide : はい。裏切りものとして追われます。でも、追っ手を殺したりはしません。実力のある忍者です。
編集 yuma : 忍者の世界の裏切りの罰は怖いんでしょうね。