早朝のテレビは物売りばかり
今朝はある局で、便利な喪服着物を売っていた。組み合わせで紐を幾つか結ぶだけの誰でも三分で切れるというものだ。

発注者の体格に合わせ紋も入れて届けられる。用意周到な立派さだつた。

一つだけ抜けたものは白足袋はサイズが違うからと抜けている。

サイズを買う人が書き込めば揃うはずとおもったが、それより重要なことが抜けていた。

現代着物を考案する人は及ばぬ知識だろうか。従来の仕来たりはお嫁に行くときに持たせるのが常識で、そのときの紋は生まれた実家の紋を入れて嫁がせる。

われわれ世代が見ると、親しい仲では旧姓が分り、嫁入りに持ってきた着物となるのである。

嫁いで後に作ったものはその家の紋が入るのが常。そして、貸衣装は桐の紋である。

こんなことは古き時代の遺産となってしまったようだ。

滅多に着ないものであるが、着物は代々子孫にまで譲り渡されるものでもある。

使い捨ての現代の、そして流行に左右される洋服よりは無駄のないものである。